サマータイムマシンブルース /2005年日本

関西の劇団・ヨーロッパ企画の作品を踊る〜の本広克行監督が映画化。
瑛太、上野樹里主演で描く青春映画。

踊る〜は映画まったくみていないので、サトラレ(01年)とスペーストラベラーズ(00)以来の本広作品。

クーラーのリモコンを取りに、壊れる前の昨日に戻ろう!っていう話。こう書くと、残暑厳しい折、グッタリしそうなテイストの邦画と思われてしまうかもしれませんが(笑)
いやいや、これがですねえ、非常にアタリ。8月、9月にあち〜。なんかちょっと笑って気を紛らわせたいなあなんてユルイ気分の時に観ると、観た後元気になれます。

実は最初の15分、やっばい。映画のノリ以上にこちらがぐでぐでになってしまう・・・外したか?!と思ってましたが、部員たちがゴミ置き場に使える扇風機を探しに行ったシーンのやり取りで突然神がかり的に面白くなりました。ここからいきなり役者のセリフと画面のテンポが笑いのテンポとピタリとあっただけに冒頭の引きがあまりにユルイのが惜しい。
一つ一つの場面が長くて、切り返しももっさりしているので、役者たちのセリフまでもっさり聞こえてイライラした。
後で意味を持ってくる場面を描くにしても、いくら猛暑の中だらけきった大学生を描くにしてももうちょっと鮮やかにみせてくれても良かったんじゃないの?暑い描写をあれだけ執拗に描いた挙句、どうでもいいぶっとんだセリフなんて暑さ倍増するだけなんで。何がなんだかわからない上に、画面の切り替え自体もわかりにくかったのがマイナス。

そしてこの映画には神様がたくさん出てきています。
ゲームの隠れキャラってノリです。いろいろ意味の良くわかんない人物が出てきているので それらを探しながらも観られるようになっている。
ですが、そういう小ネタ満載にしたせいかストーリー的にはよくわかんないところもあり。 時系列を混乱させた作りとしては、その時系列を観客に判らせる映像の提示が不親切。

本当に、そこは惜しい。

それでも扇風機のエピソードから先は、役者さん達の掛け合いやキャラクターのバカさ具合が絶妙で サトラレ、スペーストラベラーズより断然面白い。
かなり声あげて笑えます。セリフの間がねえ、よいコメディの舞台観ているみたいにこれ以外はない!っていう間なので、結構ベタなのに思わず吹き出しちゃうんですね〜。

部員5人がどのヒトもかなりいい味出していて、揃いも揃って 小学生かよっていうお馬鹿さん具合がナイス。

リモコンを取りにむかっただけのはずが 小柄な曽我(永野宗典)はタイムマシンで乗り物酔いして吐いたりしてるし
ヴィダルサスーンじゃないと髪が洗えないと言い張る新見(与座嘉秋)は銭湯で盗まれたシャンプー泥棒をみつけたいと昨日の自分が風呂につかっている銭湯へ行ってしまうし
過去を変えてはいけないと相対性理論が専門分野の大学助手・保積(佐々木蔵之介)に言われたにも関わらず 石松(ムロツヨシ)は落ちているゲームカセットを持ち帰ろうとして窘められ
それを見ながら面白がって、部室のシルバニアファミリーの人形の位置を動かそうとする小泉(川岡大次郎)。
それらを注意してなんとかまとめようとするんだけど、上手くいかずに走り回る羽目に陥る甲本(瑛太)。
瑛太のアナウンサーのような生真面目そうな妙によく通る声となんとも普通にそのへんにいそうなちょい地味目のルックスが、かなりハマッてた。まあ、地味目といいつつ、かなりかっこいいんだけど。

そしてタイムマシンに乗って25年後の未来からやってきた、どうみても未来人にみえないSF研の後輩・田村(本多力)。この田村も、存在からして笑えるうえに、笑いの間がすごく上手くて タイムスリップしてきたばかりの挙動不審ぶりが素晴らしい(笑)
道行くおばちゃんに「あの・・・あの・・・」と今日が何月何日かを聞こうとしているだけなのに、 いかにも不審人物風になってしまっておばちゃんに気味悪がられて逃げるように去られたり 「あああ・・・・うううっ・・・」とか言葉にならない声でおどおどと小走りする姿が最高。
こえーよ(笑)会社にいる会話がほとんど出来ない後輩にそっくり(爆)

柴田(上野樹里)と伊藤(真木よう子)女子二人の写真部員もなんだかおっとりしていて可愛いし 柴田役の樹里ちゃんも可愛かったが、 今回はメガネっ子に向けたサービスなのか伊藤のメガネ美少女ぶり、に軍配をあげたい。
(トミーフェブラリーが主題歌だし)

間が最高だったといえば保積役の佐々木蔵之介が、映画館のオヤジにぴたりと詰め寄られて発した一言
「・・・暑い・・・。」
もいい間だったなあ。すんごく気持ちがわかる(笑)
舞台役者として鍛えられた笑いの間を感じました〜。

こういうなんともないセリフで笑えるのって本当にちょっとした間の使い方。
監督の撮り方も上手かったんだろうと思う。冴えてます。

甲本のラストのセリフも秀逸。 情けなさの混じった表情をさせると右にでるものはいないぞー!瑛太よ。

惜しいといえばもう一点。公開は9月からじゃなくて8月でしょう!劇中の時間が2005年8月19日と20日なんだから。とにかく結構拾い物。まだ暑いな〜っていう時に観ると雰囲気でます。久々に長文レビュー書いちゃいました。

2005年8月23日 試写会にて鑑賞