エイプリルの七面鳥 /2004年米国

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感謝祭の日。NYに住む娘・エイプリルの元に向かう家族。エ イプリルと家族は齟齬があって半ば娘は家を飛び出す形で、別居している。今の彼の おかげでちょっとは落ち着いた生活を営むようになった。そして母は重い病気で先が 長くない。娘は、家族にそして母親のためにターキー(七面鳥)を焼いて感謝祭でも てなそうとBFと奮闘する。

ほとんど料理をしたことがないエイプリルが奮闘しながら料理をし、いざ七面鳥を 焼こうという段階になってオーブンが壊れていることに気づく。なんとかしなくちゃ とマンションの住人にオーブンを借りようとするが、これがなかなか大変で・・・。といった展開。

一方家族も、なかなかに珍道中。家族が入れ替わり立ち代わり帰ろう、いや行こう と道中で揉める、揉める。

この双方のやり取りを交互にみせることで、それぞれの置かれている立場や感情が 浮き彫りになってくる仕掛け。エイプリルもそりゃあ親に反抗したのだろうけど、家 族の方もこれはこれでなんだかいろんな問題を孕んでいた感じ。特に母親。とても綺 麗で、でも厳しそうな母。エイプリルとこの母ジェーンの相性が殊の外悪かったん じゃないだろうか。実の親子でも相性ってやはりあって、なんだか上手く行くってこ ともあれば、ベッタリだったり逆に、何かを相手に言ったりやったりするほど上手く いかなくなる組み合わせもある。母親の死を前にその母と娘がやっと相手に対して素 直に向き合えるかもしれない場なのだろうが、長年の積もり積もったものはそう単純 にはいかない。

それでも、親と子が痛いほどお互いを想って悩んでいる、求めているのがとてもよ くわかります。お母さんの微笑と、エイプリルの無表情の裏に隠れた子供のような喜 びと泣き顔に思わず涙。
ビックフィッシュは男親と息子の情愛をファンタジックに描いてましたが、こちらは 母親と娘の一筋縄にいかない愛情を、センスの良い映像でリアルに暖かく描いた佳作。
親に対してネガティブな感情を持ったことのある人ならエイプリルの表情に心揺さぶられるのではないだろうか。