いぬのえいが /2005年日本

犬にまつわるオムニバスストーリー。
なのだが、アニメあり、ミュージカル仕立てあり、爆笑モノ、号泣モノとテイストも手法も入り乱れ、と思えば連作になっている作品もある。奇妙なつくり。特に冒頭のアニメから渡辺えり子(が狂言師の和泉ママのようないでたち・・・本人かと思った)と佐野史郎が「うちの子が一番」と張り合いながらのミュージカル仕立てには、ビックリした。
公園も、冒頭のシーンでこれは立川の昭和記念公園だ!と知っている人間にはモロわかるロケ場所であの広場でこれやったのね~と感心。人間がビシュビシュと音がでるような軽快な動きでダンスしまくる中、微動だにせずお座りしている犬たちのステキなことといったら・・・(笑)

話の中心に比較的いるのは中村獅童演じるCMプランナー山田の現在と過去・空き地にいたポチという柴犬との交流の日々。
このポチ忠犬ぶりがやらせくさいというか、人間側が考える都合良い「犬が一心に人を慕う姿」といえばそうなのだが、わかっていてもやっぱり日本犬は可愛いし、こういう風にお互い飼い犬と相思相愛でいたいもの。山田が自信を無くして落ち込んでいる時、このポチがふと現れ眠っていた子供の頃の記憶が蘇りちょっとその土地を訪ねてみるという男の心情は良かったな。
あまりにも個人的すぎる感想ですが、山田の子供時代に関わるパン屋の女の子・・・誰かに似ていると思ったら、私の友人にでした(笑)
演じているのは菅野莉央ちゃん。TVドラマ「愛し君へ」で確か足を手術しなければならない女の子を、仄の暗い水の底からでは、黒木瞳演じる女性の娘役をやっていたと思う。その時もずーっと知ってる顔な気がすると思っていたのですが、観ている最中に声をあげそうでした。

この女の子と山田の関わり方も良かったな。ちょっといい話って感じで。疑問だったのはこの山田のエピソードのラストはあれでいいのかってことと、少年時代の山田の持病って喘息だと思うんだけど、手術すれば直るからと声をかけられていたくだり。喘息で手術なんて聞いたことないんだが。それとも違う病気だったのかなあ。それともう一つ、明らかに晴れていて、帽子に陽射しが光っているのにどしゃぶりの雨にしたシーン。雨がくるような天気にはどうしても見えなかった。うららかな春の日というような陽射しだった。わざと?でも私はその映像でちょっと冷めちゃったんですよね。

それからラストエピソード。これ反則ですわー。もう冒頭シーンから号泣モードなんだもの。わかっちゃいるけど、これは一度でも動物を飼ってその生死をみた人なら泣かずにはいられない・・・反則だ。やっぱり人間側からみたファンタジーなのかもしれないと思いつつ、ダメ。この展開は。パブロフの犬のごとく犬がでてくるだけでダーっと涙が(笑)
おまけにBGMがS.E.N.Sの「風のように」。これドラマ「あすなろ白書」メインテーマです。私はこのドラマで西島秀俊演じる青年役にかなり感情移入して観ていたので、この曲っつーのがまた反則だったなあ。

同じベタでも、「CMよ、どこへ行く」で山田が周囲の勝手な言い分に振り回されてみょうちきりんなCMが出来ちゃうくだり、完成品のCMに笑いました。ほんとにこんなCM作ってくれないかなー。でかでかと踊る「マグロ」の文字に笑いを堪え切れず、体が震えました・・・。
こういう映画こそ、映画館で一人で観てグシグシ泣いたり笑ったりしてすっきりした顔で映画館からでてくるものなのかも。

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