アメリ /2002年

公開当時渋谷シネマライズで観た作品ですが、またビデオでも借りてみてしまった。
作品としては、やりすぎな感じがするロストチルドレンのほうが私は好みですが、少し毒気を抜いた感じで、ユーモア漂うメルヘンチックな恋愛モノとしてこの作品はかなりヒットしました。
監督もジュネ&キャロのコンビからジュネ監督の単独作品に。

内気な少女アメリが恋をして外に世界を広げる物語。ロスト~が少しくどいくらいのダークな色合いの映画ならこちらは、ポップな色使い。クリクリとした大きな瞳でイタズラを考えるアメリの顔と相俟って、なんともいえない可愛らしさが漂っている。
そのいたずらが結構ブラックなところも笑える。

アメリがするイタズラというのは、世間と関わりたくても、正面きって関わることの出来ないシャイな人間が、世の中と繋がろうとするせいいっぱいのメッセージ。

近所の八百屋の店主が店員をいつもいびっているけど、面と向かって「やめなさい」とはいえない。そこで店主が嫌な思いをするようなイタズラをしかける。

また、定年後閉じこもって外に出ようとしない父親になんとか自由に旅行でもしてほしい。そのために考えたいたずらが、なくなった母が大事にしていた庭にある小人の置物。これを盗み出し、写真屋で世界各国の観光地をバックに写真を撮影。父に差出人不明で、この写真と旅の手紙を送りつづけ、世界一周したところで、庭に小人を戻しておく。触発された父が旅行に出かけるのをこっそり見て微笑むといったナカナカ遊び心に溢れたいたずらもある。

好きになったニノカンカンポアとの関わり方も、ユニーク。
ニノも人とコミュニケーションを取るのが少し苦手。仕事の合間に証明写真のボックスで捨てられて落ちている証明写真を集めてはスケッチブックに貼り付けている。

そのスケッチブックを落としてしまい、拾ったアメリ。返却時に場所や時間を指定した紙を置き、歩かせ、次々と次の指示を出し、直接会わずにスケッチブックを返す。スケッチブックの中には、お面で目元を隠したアメリが紙をもっている写真。紙に書かれている言葉は「次はいつ会えるの?」。

ストーカーとオタクの鬼ごっこというような気もしますが、フランス人がやるからおしゃれなのか、映像が綺麗だからなのか?不気味な感じはしません(笑)でも、実際にこれをできる方たちはそう多くないというかいない・・・。恋愛手法としては使えませんね~。おもいっきり引いてしまわれる可能性も高い(笑)

一歩を踏み出したものの、正面から向き合えないために、アメリは自分の脳内の世界だけで思い悩んでしまって先に進めない。その背中を押すのが、同じマンションの住人。いつも模写をして過ごす老人。この人の言葉がステキです。
「自分の世界に閉じこもっているだけでは運が逃げてしまうよ」
これは監督から映画を見ている人にも向けたメッセージじゃないかなあ。

とてもココロがほんわかする映画。

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