LOVERS /2004年中国

HEROを撮った監督、チャン・イーモウの最新作。原題は「十面理伏」。八方塞というような意味らしい。「LOVERS」という題名にしても、どちらも監督の描きたいもの、作品の言いたいことを表現した良い題だと思う。

8月28日から公開予定だそうですが、一足早く6日試写会で観ました。

舞台は、中国が唐の時代。国を守る官吏と、国を討とうとする集団その間に入り乱れる男女3人を中心に話は進む。

それぞれがどちらの側の人間なのか、本心はどこにあるのか。映像は大半が山の中とおぼしき風景の中で描かれるが、紅葉の森、どこまでも続く竹林、白樺の並木、水墨画のような深い緑に覆われた山道、雪景色・・・人々の心と立場の目まぐるしい入れ替わりに呼応するように、自然の色彩も鮮やかに切り替わる。

監督の描きたい、色、場面がとてもはっきりしているのだと思う。アクションも、HEROより更に流れるように踊るようにといった感じで迫力あるけど綺麗。

今回は、HEROでいうマギーチャンとトニーレオンが演じていた恋人同士の話を膨らませたような愛の物語。
実は、謀も、アクションも愛を取り巻くモチーフに過ぎない。金城武が抜擢された理由がわかる気がする。多分、色気が欲しかったんじゃないかなあ。女性にわかりやすい色気が。チャンツィイーと併せて、3日間で恋に落ちる状況を観客に理論じゃなくて感覚で納得させたい。「なぜ、この二人は愛し合っているのか」「いつの時点から本気なのか」などと考えさせたらいかん、と。好きに理由はないのだー。その上で、映画の登場人物たちの気持ちそのものに入り込んでもらえたら成功~と勝手に想像。

ただこの話、アクション大作と言う方に主眼を置いて鑑賞するのは危険。戦っているうちに秋から冬になってしまうくらいだから(笑)HEROほどではないけど・・・やはりギャグっぽいんですよね・・・どことなく。大真面目にやってるけど、可笑しいっていう。皆、かなり不死身だし。もしあなたが、刺さってるよ~とか、血ぃ吹いてるよ~とか即座に突っ込んでしまうような人物だと「カンヌで20分以上ものスタンディングオベーション」という触れ込みを訝しがってしまうかも。欧米人の東洋趣味が炸裂してるだけなんじゃないの~などと思う方も要注意。

それぞれの想いの物語だと観ると、主要人物3人ともいい演技。アンディラウの涙もいい。金城武の低音ボイスは神から与えられた財産。チャンツィイーの意思の強そうな瞳もgood。観る人のスタンスによって評価両極端だと思うので、一応念押し。これは恋愛映画であってアクション映画だと思ってみてはいけません!

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