g@me /2003年日本

お目当て藤木氏が出ていたので、執念で当てました。ぴあの舞台挨拶つき試写会。2003年10月20日六本木ヒルズ試写で、ご本人達の挨拶に舞い上がり気味の中、上映されました。
六本木ヒルズの映画館は出来たばかりで、概観やロビーは、近未来的。全面ガラス張りで、座席もゆったりしているのですが、試写だったせいなのかなんなのか、スクリーンの画像が粗かったのが残念。
席上からも、斜めにみていたせいか、非常に人物が縦長にみえて、主役二人の美しさを・・・というわりには、いつも画面から受ける美しさ半減な映像。
なものでスタイリッシュな映像ってどこがだろう・・・なんか昭和を思い出す映像だったんですが。
じゃあスタイリッシュってと問われるとこの監督のデビュー作品などその範疇に入るものだと思うし、最初の劇場予告編は充分スタイリッシュだったと思うのです。

そのとがった感じが綺麗に取れてしまって、よく言えばこなれているのでしょうが、これは宣伝文句を間違ったとしかいいようがない。おまけに追い打ちをかけているのがBGM。特に恋愛の場面で流れる音楽の古くささには恥ずかしくなってしまった。もうちょっとなかったんでしょうか・・・。昼メロっぽさ全快でした。

ぶうぶういってますが、娯楽恋愛映画として見るなら成功だと思うのです。なんだかんだ言いながら二人は綺麗だしストーリーも2転3転。原作を知っている人でも楽しめるように作られている。
主役二人の性格付けや、二人の演技も原作ほどのアクや嫌みがなく気持ちよく見られるように仕上がっている。これは多くの人に観てもらいたいタイプの娯楽作品としてはなかなか良く出来ていると思う。

で、二人の演技についてですが、主演二人は仲間さんに軍配が上がるかなあ。というのも、藤木氏の場合、笑顔が妙に優しそうな邪気のない感じなんですよね。ちょっとそんなに嫌なやつじゃないというのを強調しすぎな気がする。
いきなり爽やかな笑顔全快なので、戸惑いました。もともとが近寄り難さというか冷たさを感じさせる顔立ちで、キャラクターもそういう路線なのだから、そのまま微笑むにしても、もう少し真顔の場面との整合性が欲しいなあ、と。

藤木氏個人のキャラクターとしてはそのギャップは魅力でしょうが、佐久間という人間としては2時間という枠の中でみせる人間性として違いのほうが際だってしまって、同一人物なのか?と思ってしまう。

仲間さんで秀逸だったのは、藤木氏演じる佐久間の態度を謝らせる場面。
憮然とした表情で謝る佐久間にむかって、「えっ?」と首を傾げてもう一度きちんとした謝罪の言葉を引き出そうとする樹理(仲間)。ここで樹理という女性の持つ生意気だけど憎めない、小悪魔的な雰囲気を同性からみても、これなら許せると思わせるかわいらしさと嫌みのなさで表現している。

一方藤木氏については、いいなーと思ったのが、身代金の受け渡しを開始する際の電話のやりとり。「制限時間は1時間」と時間を区切ったのに対し、相手がそれでは短すぎると言ってきたのを受けて「じゃあ45分にしましょう」というくだり。
佐久間という男の持つ冷静さ、冷酷さ、切れ者という雰囲気が個性と合わさってよく表現された一言と表情。

もう一つ、樹理との佐久間の部屋でのやりとり。冷蔵庫から水を取り出して飲むあたりでの佐久間のセリフと表情。また樹理が佐久間に自分の誘拐を持ちかける場面の二人。やりとりのテンポにリズムと緊張感、これから起こることへの不穏さが漂っていていい場面。このあたりから話も盛り上がっていっておもしろかった。

個人的には、主人公二人はもっと性格が悪くても良かったと思う。私は原作ですらそんなに嫌なやつだとは思わなかったんですよね。特に佐久間は、最後結構痛いしっぺ返しを受けている分ああ可哀想にな、苦い結末で残念だったねと思ったくらい。もっともっとお互いドライで強者でも良かったくらい。
だから映像でもギリギリの線まで見栄えもよくて頭も切れる、出来すぎてなんか嫌な奴らだなーっていうくらいやってもらっても良かった。返ってスカッとするというか。

そうすると万人向け娯楽作品ではなくなりますが、もう少しクセのある作品でも良かったのにとの想いがどうしても残る。これは私の役者さん達に対する思い入れの深さからくるのですが。

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